経験値2023.12.5 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文
皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリエイティブアローズの乳井です。
今回は、クライアントとともに始めた新たな取り組みをテーマにお伝えしようと思います。
若い力
今回の取り組みは、組織が生み出す新たな可能性をどうやって引き出すか?!がテーマです。企業がこれから5年・10年と変わらずに存続するためにどうあるべきなのか?思考停止につながる現状維持バイアスから解放され、当たり前を疑える職場環境づくりや、人が吸着する新たなビジョンをどう生み出していくのか。そんなことを一緒に考え始まった取り組みが、組織を横断した若手スタッフ主体のプロジェクトでした。また、出来る限りストレスを排除するために代表直轄としました。メンバーの構成は女性が主体で全員が20代です。果たして今回の取り組みは企業にどんな影響を与えてくれるのでしょうか。
能動的
今回のプロジェクトメンバーの選定は、複数名に声をかけ、プロジェクト概要や目的を説明したうえで自主的な判断に委ねる事にしました。各々が異なる部署に所属し、それぞれのタスクも多く抱えています。そんな状況にも関わらず数名のスタッフが自ら手を挙げ、取り組んで貰える事になりました。企業としてはとても有難いことであり、ボトムアップで取り組むプロジェクトの先導役として期待が持てます。これが組織的な強制では身も蓋もありません。こういった新しい取り組みに自ら手を挙げるスタッフは、企業にとっての宝です。チームを失望させないように、取り組み内容のストーリーをしっかり設計し、成功体験を生み出すことに注力していくつもりです。
腹落ち
プロジェクトの概要説明も重要です。組織の課題を明確に示し、どんな解決策の仮説を考えているのか、そしてどういう状態をゴールにしているのか?もし今それを実行しなければどうなるのか?それぞれのスタッフは具体的にどのような活動を行うのか。ミーティングの頻度や活動の時間はどの程度求められるのか?とにかく分かり易く文書化して伝えることが重要です。面白そう!取り組んでみたい!そんなポジティブな感情になり、腹落ちしてくれなければ始まりません。もちろん、チームメンバーも交えて具体的な活動方針をまとめていくことになります。
新たな経験値
こんな状況下で始まった新たなプロジェクト。メンバーはきっと組織内に新たな経験値を持ち帰ってくれると信じています。ここで最近よく思う事があります。それは、ビジネスに関係なく、若い人間は吸収力が高く、成長が早いということ。例えば、生まれたばかりの赤ん坊は1年で歩行を覚え、言葉も操りだします。それと同様に、若さには圧倒的な吸収力とポテンシャルがあると思うのです。一方で年を重ねると、脳の動きは悪くなり、吸収力はどんどん低下していきます。整理するとこんな感じです。
若手:吸収力が早く、新たな価値を生み出す可能性や確率が高い
ベテラン:経験値をベースに組織の根幹を支えながら、新たな道を創り導く
ドラクエに例えれば、若手はLV20くらい、ベテランはLV50くらいでしょうか。会社組織がドラクエのパーティーならば、LV20の若手を早く成長させなければ次の章に行けないことになります。ベテランは戦えても、若手はすぐにHPがゼロになってしまいますから。そこで積極的に若手に機会を与え、その成長過程で生み出される可能性や価値観を受け入れながらパーティー全体の経験値を積んでいく。結果としてアベレージが上がり、そのパーティーの総戦力が上がる。メンバー層が厚くなる。きっと企業も組織も同様では無いかと考えています。
経験値をどう生かすか
49歳の私だから出来ること。それは、自身の経験値を信用に変えて、新たな道を切り拓くこと。そして可能性の高い若手に機会を与え、導いてあげること。それが私の経験値の使い方です。そして面白い事にこの活動自体が私自身に今まで得る事が出来なかったプレミアムな経験値を与えてくれます。考え方を変えるだけで自身の立ち位置が変わり、視座も変わり、全く異なる道を歩くことが出来て感謝しています。
試練を見守る
話は戻り、クライアントとともに始めた新たな取り組み。実はメディアを誘致して発表会を行いました。会場のレイアウトや会見のシナリオ、トークスクリプト等の制作から一緒に取り組みます。ベースのアイデアは用意し、あとは彼らに検討して貰います。発表会の前日、会場でリハーサルを行っていました。その際に、本プロジェクトの概要説明パートで私からの専門的な説明が多く、もっと言えば一番多くを私が語る台本になっていました。そこでこんな提案をしました。
「若手スタッフが能動的に取り組む新しい取り組みだから私が話す事はしない方が良いのでは?!〇〇さん、この部分の内容をアレンジしてもらって、私の代わりに話せないですか?」
快諾をいただき、翌日の会見では見事にアドリブを交えながら会見を終えることが出来ました。そんな姿をみて自分の事のように嬉しくもあり、頼もしく思いました。
それぞれの経験値
私が考える理想のチームは、ベテランが道を切り拓きながら導き、若手が自由に冒険できる組織です。また年齢や経験・知見に応じ、その人に合ったそれぞれの経験値が得られる状態の組織です。ベテランはベテランならではの、若手は若手なりの経験値です。ベテランが若手の領域で仕事を行うことは若手の経験値を奪いにいく事に繋がり私は推奨しません。また、人が集まれば誰でも良いという訳ではありません。この状況を生み出すためには、ビジョンに共鳴し、価値観が近い人間の集まりであることが大前提です。全てはそこからはじまります。
優秀な人材が多い企業は成長します。今まで以上に人が大事な時代です。まず社内で小さなプロジェクトを立ち上げ、チャレンジしてみる。職場の雰囲気やスタッフの働き方が前向きに変化するのかも知れません。そのことがきっかけで若手がイキイキしだしたら、企業の評判の向上やリクルート市場で有利に働くのかも知れません。
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