毒と薬は紙一重⁉2024.6.11 入歯師 山崎 敦史

こんにちは、やまざき歯科クリニック院長の山崎です。

前回、前々回と2回にわたって歯磨き粉の話をしましたが、その流れで【薬】についても裏話をしたいと思います。

すべての薬には【致死量】があります。
逆に言うと、【毒にもならないものは薬にもならない】ということです。
したがって、【有効量】(治療量)と【致死量】に大きく差があるものは、だれでも使いやすい良い薬となります。(間違えて3倍の量を飲んだとしても死にません)

反対に【有効量】と【致死量】が近似しているものは、プロフェッショナルしか扱えない【劇薬】となります。(投薬ミスが命取りとなります)

似たような意味合いで漢方には【上薬】(上品)【中薬】(中品)【下薬】(下品)といった言葉があります。

漢方の三大古典のひとつである【神農本草経】(しんのうほんぞうきょう)には【上薬】は命を養う薬(養命薬)とされ、生薬そのものには強力な作用は持っていないものの副作用が少なく長期服用が可能なものとなります。

気力・体力を高めたり、自然治癒力・免疫力を上げるため、健康維持、病気の予防に使用されます。

例えば、前回も出てきた【甘草】(かんぞう)
他にも
【人参】(にんじん)
【桂枝】(けいし)ニッキ、シナモン
【大棗】(たいそう)ナツメの果実
【陳皮】(ちんぴ)ミカンの皮
など、身近な食べ物であったり、薬膳料理などで使われたりします。
毎日でも摂取していいもの、つまり日々の生活で食事に気を付けることが、そのまま健康を維持するための薬になります。

【中薬】は体質を改善(体力を補い、不足や過剰を調整し、体を養う目的の薬)する薬(養生薬)です。使い方によっては注意が必要な生薬とされ、大量に摂取すると副作用が出ますが、正しく使用すれば穏やかな作用で病気を水際で食い止めます。
また、【上薬】の効果を底上げする作用もあります。

【中薬】の例としては
【葛根】(かっこん)葛の根があります。

【葛根湯】(かっこんとう)はあまり漢方になじみのない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか。私は、ちょっと風邪っぽいかなと思ったらすぐ【葛根湯】です。
未病のうちに対処することが大事です。

【下薬】は、実際に病気を治療する治病薬(治療薬)となります。強い効果を持つ反面、摂取する量や期間に注意が必要とされるものです。そのため毒性が強いものが多いので長期にわたる服用は避けた方がよい生薬となります。

【下薬】の例で皆さんになじみがあるものは
【附子】(ぶし)ではないでしょうか。知らないと思った方も【トリカブト】といえば聞いたことがあるのではないでしょうか。

ミステリー小説で殺人に使われたり、ニュースでも山菜と間違えて食べてしまい亡くなられるといった事故があります。

現在では、市販の漢方薬では加熱処理したものが一般に使われています。
毒性は元の百分の一から数千分の一と言われています。
製剤に配合されるのも0.5gから1gとわずかな量なので、安心して飲んでいただけます。

基本的に【西洋薬】は市販薬も含めて【下薬】と考えて使用することが賢明かと思います。

【コロナワクチン】にしても、副作用や後遺症の話が後からどんどん出てきますが、そもそも薬である以上副作用があると思って接種するものです。ましてや、未知で新しい【RNAワクチン】という、特例で治験をしながら認可されたものであればなおさらです。
ちなみに私は【コロナワクチン】未接種です。今日まで無事に生きています。

話は変わりますが経営者の皆さんは、ビジネスであれば【上手すぎる話】に簡単には乗ることは少ないかもしれません。
しかし、なぜか皆さん、健康の話になると【ノーリスク・ハイリターン】を求める方が多くいます。

私の医院でも患者さんによく言われます。「先生、一番いいのでやってください」しかし一
番いいものはありません。必ず利点欠点があります。

例えば人工の歯でいうと、綺麗さと強度は【トレードオフ】の関係にあります。
薄くて光の透過性のある材料は圧倒的にきれいですが、割れます。
逆に厚くて光沢のないマットな材料であれば、強度はありますがかっこ悪くなります。

薬でも同じです、【副作用】のない薬はありません。効果の強い薬は【副作用】も強い傾向
にあります。
抗がん剤で、髪が抜けたり吐き気が止まらなくなるというのは、ご存じかと思います。

【下薬】は毒ということを忘れないでください。

だだし【副作用】は必ずしも悪いものだけではありません。
あくまで、【主作用】に対しての【副作用】です。いい【副作用】もあります。
【副作用】から発明された薬もあります。

代表例は毛生え薬の【ミノキシジル】や夜のお供【バイアグラ】です。

【ミノキシジル】は高血圧のための血管拡張剤として開発されましたが、治験段階で体毛が濃くなる副作用が報告され【発毛剤】として再開発されました。

【バイアグラ】は狭心症の治療薬として作られましたが治験の成績が悪く、開発中止となりました。しかし治験の被験者達がこぞって継続を希望したため、問診を行うと「なんか夜の調子が良いらしい」となり急遽【ED治療薬】として発売されることとなりました。

もともと心臓の薬なので、スケベ心を出して飲みすぎれば、心臓をあおってしまうことは想像がつくと思います。【主作用】と【副作用】が逆転します。
このブログの読者は、男性経営者が大多数と聞いています。愛人宅で腹上死なんてことにならないように用法・用量を守って正しく使いましょう。

実はどちらもファイザーの話です。転んでもただでは起きない社風なのでしょうか。
見習いたいものです。

きっと、【ミノキシジル】【バイアグラ】に加えて【コロナワクチン】での教訓も生かして、新たな【RNA製剤】を開発するのではないでしょうか?
すべてではありませんが【特効薬】であればあるほど、【ハイリスク】と思ってください。

健康維持に、近道はありません。

病気にならないことが、最高のコストパフォーマンスとなります。
日々の食生活があなたの細胞を作ります。

健康的な食生活は、【上薬】です。【未病】の発生を予防します。

日本人なら、伝統的な食事が体にあっていると思います。食卓から【カタカナの食材】を減らすだけでも効果があるとおもいます。
試してみてください。

●入歯師 山崎 – 公式サイト
https://yamazaki-dp.com/

●やまざき歯科クリニック – 公式サイト
https://yamazakishika.net/

●YouTube【やまシカちゃんねる】
https://www.youtube.com/@user-je4ve8qz3o

関連するBLOG

ContactContact弊社へのご質問・お問い合わせはこちらから