成功体験2025.4.9 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文
皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリエイティブアローズの乳井です。
春の陽気とともに、街では新しい挑戦を始める方々の姿が目立つようになってきました。年度の切り替わりは、企業にとっても個人にとっても、新しいスタートを切る絶好のタイミングです。
今回は、「成功体験がある組織と社会」について、経営の視点から考えてみたいと思います。
社会に本当に必要なものとは?
日本社会は今、急速な変化と複雑化の波の中にあります。人口減少、労働力不足、デジタル化、価値観の多様化——こうした中で、持続可能な組織や社会を実現するために必要なのは、制度や技術の進化だけではなく、「希望」だと私は考えています。
この「希望」は、抽象的な理念ではなく、現場で働く一人ひとりの中に宿る非常にリアルな感情です。
✔「やってみたい」と思える環境がある
✔「自分の成長が実感できる」
✔「仲間と成果を喜び合える」
こうしたポジティブな空気が、組織のエンジンとなり、社会の前進力になると信じています。
希望の源泉は、「小さな成功体験」
では、その希望はどこから生まれるのか?
答えは非常にシンプルです。
希望の源泉とは、小さな成功体験の積み重ねです。
たとえば、
✔初めての提案が通った
✔クライアントから感謝の言葉をもらった
✔上司から「よくやった」と一言かけられた
✔チームで目標を達成できた
どれも劇的な成果ではありません。しかし、これらの小さな成功体験が継続的に得られる組織は、社員の自己効力感(I can do it.)を育み、「もう一歩先へ」進むエネルギーを生み出します。
この「積み重ね」が、目先のモチベーション維持にとどまらず、社員のキャリア観や企業のカルチャーにまで影響を与えるのです。
チャレンジを肯定できる組織・社会の条件
挑戦には、当然ながら失敗もついてきます。
しかし、失敗を恐れて挑戦しない文化は、組織の停滞を招きます。私たちが目指すべきは、「挑戦が当たり前であり、失敗が許容される状態」です。具体的には以下のような組織文化が求められます。
✔失敗を責めず、学びとして評価する
✔成功は個人のものではなく、組織全体の成果として共有する
✔努力と成長のプロセスを見える化し、称賛する
✔「まずやってみる」姿勢を後押しするマネジメント
✔他者の成功を喜べる関係性を築く
こうした環境は、社員の挑戦意欲を高め、結果として企業の競争力向上にも直結します。
社会は変えられなくても、組織なら変えられる
社会全体を短期間で変えることは難しいかもしれません。
しかし、自社の組織風土であれば、経営者の意思とリーダー層の行動によって変えていくことができます。
私たちクリエイティブアローズでも、以下のような取り組みを続けています。
✔若手のチャレンジに対するポジティブフィードバックの徹底
✔「やってみたい」を発言しやすい文化づくり
✔成果だけでなく、プロセスや姿勢も評価する人事制度
✔経験を通じて学ぶ「場」と「機会」の提供
これらは全て、“小さな成功体験”を日々積み重ねられる仕組みづくりの一環です。
結果として、社員一人ひとりが成長実感を持ち、組織全体としても健全なエネルギーを保ち続けることができています。
最後に:経営者・リーダーにできること
変化の時代において、社員が自律的に動ける組織こそが持続的な価値を生み出すと私は考えます。
そしてそのためには、以下の3点が鍵になります。
✔挑戦を歓迎する空気づくり
✔小さな成功体験を仕組みとして生み出す工夫
✔それを組織全体で「共有」できる文化の醸成
私たち一社一社の中に、社会全体を少しずつ変えていける可能性があります。
「この会社にいると、成長できる」「また挑戦したい」と思える人を一人でも多く生み出すこと。それこそが、希望ある社会づくりの第一歩になると私は信じています。
株式会社クリエイティブアローズ
代表取締役 乳井 俊文