”コスト削減”についての考え方2021.7.21 税理士法人SHIP 鈴木 克欣

久しぶりに”考え方”について書きます。

雇用調整助成金が取りあえず8月まで延期されました。
まだその先も延長される可能性はあります。ズルズルと今後のVISIONがないまま、延期されています。昨年から、そのまま来てるイメージです。
コロナ融資は12月まで延長されましたが、実際にニューマネーが出るかどうかは別の問題です。
すでに売上1年分の借入を実行している企業は、追加融資は難しいでしょうし、もし実行されたとしても返済はどうするのか?
おそらく雇用調整助成金が終了した時点で、リストラに動いていく企業は増えます。失業率が増え、景気観は悪くなっていきます。コロナの収束により売上は戻ってくるかもしれないが、そこへウッドショックや様々な原料高騰による現場停滞が予想されます。
もうコロナの前には戻らないでしょう。
考え方を変えないと、コロナ後の時代にはついていけないです。

では、どう考え方を変えるか。
今日は”コスト削減”について、僕の考え方を伝えます。
コストには、「金銭コスト」「時間コスト」があります。
一般的なコストは金銭コストです。昭和から続くお金の使い方を改める必要があります。緊急事態宣言により、交際費が1/10になった。コロナにより、旅費交通費が1/10になった。そこまで減少していないにしても、多くの企業がこれらのコストは減ったと思います。
減った後、どういう状況になったか?
そんなに影響がないことに気づいたと思います。このタイミングで、他の金銭コストも徹底的に見直し、そぎ落とす必要があります。コスト削減の相手となる”対象”は売上ではなく、限界利益や売上総利益です。現在、これらの利益に影響を与えていない金銭コストは、徹底的に削減をする。

次に時間コストです。時間コストとは、一つの作業をどれだけの時間をかけてるかどうかです。じつは、この時間コストは過去から続く”考え方”や”MIND”に支配されています。このMINDを変えない限り、時間コストはこれからも同様にかかり続けます。
新幹線で往復1時間で出張していた。2時間の打合せをするのに、移動時間を含めると5時間ほどかかっていた。それがZOOMに切り替えたことで、2時間のみ。3時間の時間コストを削減したことになります。
工場での製造工程が毎日10時間かかっていたラインがあった。デジタル化を実施し、7時間まで短縮された。1日3時間の短縮×20日=1ヶ月で60時間の短縮。
いつもクライアントと電話でやり取り。自分の業務も止まってしまい、再度エンジンをかけるのに15分かかる。1日の電話10本をLINEやメッセンジャーに切り替えた。15分×10本の電話=2.5時間の時間効率化に成功。
こんな考え方が、一般的な時間コストです。
年収400万円の人の時間単価は?400万円÷12カ月÷170時間=約2,000円。月に60時間の短縮で、12万円の時間コスト削減です。まずは、自分の時間単価を計算してみてください。労働分配率を33%とすると、自分の時間単価の3倍の限界利益や売上総利益を稼ぐ必要があります。

コロナの前と後で、考え方を変えて、金銭コストと時間コストの見直しを行う。コロナの前に戻ると考えている人ほど、これらのコストを同じように使っているはずです。もう、コロナ前に戻らないと考えている人は、すでに見直しをずいぶん前から行っています。
早急に見直しをかけないと、”生き残り”に乗り遅れることになります。

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