カネのために働くか、ヒトのために働くか2022.11.16 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
企業が経営を行う上で重要な経営資源として、ヒトモノカネがあります。
最近では、ここに「情報」「ブランド」などが入ってきたりしますが、
どの時代もやっぱりヒトモノカネだと思います。
そして、このヒトモノカネは難しい順番に並んでいます。
”人”が一番難しく、”お金”が一番簡単だということになります。
お金が一番簡単だというと語弊があり、「簡単じゃないですよ!」と言われるでしょう。
つまり、それだけ「お金」のところで立ち止まっている経営者が日本にはたくさんいることを表しています。
よくセミナーに参加すると、「経営者は経営を考える時間を持ってください」と言われますよね。
現実はどうでしょうか?
日々、資金繰りに追われ、返済期日までにお金を工面しなければならない。
そんなことを従業員には頼めないので、社長自ら資金繰りに走り回っている。
これが実情ではないでしょうか?
もったいないと思います。
よくブログでも「タイムマネジメント」の話をしますが、
日々、資金繰りに追われる時間からは、次に何も生まれません。
ちょっと視点を変えます。
では、どうすれば資金繰りはよくなるのでしょうか?
今日資金繰りの悪い企業が、明日急に資金繰りがよくなるはずはありません。
しかし、SHIPクライアントの中でも、毎期赤字続きだった企業が
2,000万円から3,000万円の利益を生み出す体質に生まれ変わり、
その結果、会社のキャッシュが創業以来初めて、1億円を超えた企業がたくさんあります。
では、どうやって利益体質に変えることができたのか?
モノを見直したからです。
現状の商品やサービスから、しっかり利益が確保できているか?
利益を生み出すために、商品やサービスのクオリティを見直し、価格を見直し、
ひとつひとつのモノからちゃんと利益を生み出す「強い商品」へと変えることが出来たからです。
よく僕が伝えている「売上至上主義」はダメですよ、ということです。
重要なことは、過去からの限界利益率や売上総利益率を1%でも2%でも上げていくことなんです。
これを考える時間が「経営を考える時間」、つまり、新しい”何かを生み出す”時間になります。
そして次にヒトです。
残念ながら、多くの企業では人がよく辞めています。
「心理的安全性」の担保がされていない企業は、人が辞めていく傾向にあります。
資金繰りの悪い企業では、いくら経営者が隠そうとしても言動や雰囲気から、社員に状況は漏れていくでしょう。
そんな企業では従業員の不安は大きくなり、「心理的安全性」はどんどん低くなっていくのではないでしょうか?
モノを「強い商品」に変換していくために、社員も一緒になって考える。
経営者だけでなく社員も一緒に考え、2,000万円から3,000万円の利益を実現したのであれば、
そこから生み出された利益を賞与として分配する。
企業の状況もディスクローズしていき、「今の数字」を全員で共有する。
この結果、「お金」が残っていき、資金繰りは改善されていくんです。
資金はバケツの水と一緒です。貯まるまでに時間がかかります。
毎月、利益が残るようになってから、資金が改善されるまで約6ヶ月ほどのタイムラグはあります。
社員の生活を守るため、企業がヒトと正面から向き合うことができれば、
これまでと違った関係性が経営者と社員の間に生まれるのではないでしょうか?
でも、このヒトの部分に多くの経営者は悩み、経営者自身も疲弊している事実があります。
それだけ、ヒトの部分は、一番難しいということです。
ヒトモノカネは難しい順番に並んでいます。
全てが企業において重要なリソースです。
まず、ヒトとしっかりと向き合い、企業や経営者としてのとしての「責任」を果たさなければならない。
そして、時代に適合したモノにするために、社員も巻き込んで再構築する。
資金繰りは、これらのMINDやモチベーションの結果として、回るようになります。
「カネのために働くのではなく、ヒトのために働く。」
やらなければならない優先順位は、はっきりとしています。