会計事務所こそ女性の力を必要としている!2023.2.15 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
現在、女性の税理士の比率は全体の15%ほどです。
しかし、最近の受験の動向を見ると女性の受験者が26.3%、合格者は全体の28.9%となっています。
今後、年々、女性の税理士の比率が上がっていくことが予想されます。
SHIPで働く女性は本人が希望するのであれば、100%正社員となっています。
もちろん、毎日8時間働くことができない状況もあります。
そのため、「短時間正社員制度」を導入しており、6時間・7時間・8時間の正社員を選択することができます。
また、朝5時から夜7時までの「フレックスタイム制」も導入しているため、1週間を自分の働きやすい時間で設定し、さらに出勤か自宅リモートかを各自が選択できます。
もし、朝5時から仕事を始めた場合、昼休憩を挟んで14時には仕事が終わることになります。
僕も朝5時に仕事をしている日が多いので、朝5時にLINEをスタッフに送ると返答があります。
早朝7時に事務所に行くともうすでに誰かが出勤していて、クライアントの打合せが7:30から始まる日もあります。
不思議な光景ですよね?
でも、これらの働き方に変えてきたのは、僕ではありません。
SHIPスタッフ自ら、自分たちが「働きやすい環境」を作ってきた結果です。
ずっと昔からこういう働き方だったわけではありません。
僕自身、毎月300時間ほど仕事をして、それが正しい行為だと思っていました。
毎日残業をして、クライアントのためだから当然だと思っていました。
SHIPでもパートで働く女性が以前はたくさんいました。
自分たちが働きやすい環境に変えてきた結果、SHIPスタッフはいい顔で働くようになりました。
仕事に対するMINDが前向きになり、仕事への責任を持ち、クライアントのために自分で考えて仕事をする姿勢に変わってきました。
もともと、僕は正社員とパートの業務に境界線を作る事が嫌いでした。
以前、「私はパートなので、そこまで責任を持てません」とスタッフに言われたことがあります。
僕は「責任のない仕事はない」と考えています。
パートだから責任はここまでと考える習慣がそもそも間違っています。
その結果、全員を正社員にして全員に責任を持って仕事をしてもらうように変えました。
「働き方改革」と言われ、かなりの時間が経ちましたがなかなか日本では難しい状況です。
それだけ、日本は男性が作ってきた男性の社会なんだという事です。
働き方が変われば変わるほど、苦しむのは男性です。
いろんなところから批判されると思いますが、自分の考えを伝えます。
85%が男性の税理士である会計事務所業界では、男性が正社員で女性がパートという組織構造になっています。
この構造は、ずっと昔から変わっていません。
人としての能力に、男性も女性も違いはないでしょう。
でも同じ能力の男性と女性が面接に来た時、採用されるのは男性です。
これが現実ではないでしょうか?
なぜだかわかりますか?
男性は長く働けるからです。残業ができるからです。
女性は家族のために時間的制約があり残業ができません。家に帰ってからも、仕事があるんです。
昨年、SHIPに入社した女性は短時間正社員で働いています。非常に優秀です。
SHIPに入ってくれて、本当に良かったと思います。
これだけ優秀であっても、1日8時間働くことができないという理由で、なかなか働き先が見つからないというのが日本の現状ではないでしょうか?
そもそも、会計事務所の仕事は女性に向いています。
試算表を作成する業務だけでなく、月次決算のなかで企業へヒアリングをし改善する方法を一緒に考え、そして経営者の背中を押すために応援する。
人材不足で悩む会計事務所が多いですが、もっと女性の力を発揮できる環境に変えていけば、きっと生産性は向上し、職場の雰囲気も変わっていくはずです。
SHIPと同様、これからの会計事務所業界は、組織にいるスタッフ全員が責任を持つ組織に変わります。
なぜなら、「働き方改革」を行ってきた我々が一番実感しているからです。
僕もそうですが日本の多くの男性は時間的制約を経験しないまま、生きてきました。
本当の意味で日本の働き方が変わっていった場合、「時間的制約」という壁を乗り越えなければなりません。
限られた時間の中で、成果が求められる時代に変わっていきます。
これまでは「時間が対価」として成立してきた社会だったため、残業をすればするほど年間給与は増えてきたと思います。
しかし、これからはそうではありません。
8時間働いた場合と6時間働いた場合で成果が同じだったとき、企業は6時間で成果を出す社員を採用することになります。
時間的制約の中で働くということは、「成果が対価になる」ことを意味しています。
多くの日本人が越えなければならない壁です。
もし、「これまでの働き方がよかったな」と考えているのであれば、それこそ早くマインドセットすることをオススメします。
世の中の変化に乗り遅れないために。