どうする?2023.5.10 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文
皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリイエティブアローズの乳井です。
今回は、最近私にあった相談をテーマにお話ししたいと思います。
「8年程前にお仕事を依頼したA社ですが、乳井さん覚えてくれていますか?」
月曜日の朝、私の携帯電話が鳴りました。内容はこうでした。
「新しい事業を立ち上げるので、まずはブランドのデザインを検討して欲しい・・・。」
A社は、ウェディング業界が最盛期の時代に、デザイン性の高いギフトパッケージが話題となり、急成長を遂げた企業です。8年前、ブランディングの一環として、ブランドブックやパッケージ・VI開発を担当しました。当時は、東京池袋に自社ビルを構え、社内にはデザイナーもおり、30名程度の規模で異彩を放ち、勢いのある企業でした。それが今・・・。
時代と共に進化する価値変革のなかで、ウェディング需要は低迷。そこにコロナと物価高。さらに、A社の主力商品はイタリアから直輸入のため、輸送費の超高騰が重くのしかかる状況に。また、輸送についてはコストだけでは無く、ロシア・ウクライナ問題から大幅な遅延が常習化。そんな最悪の事象が連鎖し、業績が急激に悪化。自社ビルを売却し、事業規模を縮小し、何とか持ちこたえている状況でした。
「これから大きな商談を控えていて、大口契約が獲れる予定なんです。ただ、デザイナーがもう社内にはいないので、クリエイティブ開発に困っています。そんな中、専務と話をしていたら乳井さんの事を思い出しました。何とか力になって貰えないでしょうか?ただ、こんな相談をしていて申し訳無いのですが、予算が余り無いのです・・・。如何でしょうか?」
皆さんならどう答えますか?
A社の事業状況や財務内容は、恐らくとても厳しい状況である事は明白です。また、商談が決まらなければ廃業というシナリオも見え隠れしている状況です。とても難しい判断です。
「喜んでお引き受けしましょう。」
これが私の出した答えです。理由はこうです。
・クリエイティブの開発は全て内製でき、開発期間は短期である
・本プロジェクトの本質的な目的を伝えれば、スタッフのモチベーションが上がるだろう
・私たち自身が、私たちの仕事の本質に触れ、その意味性を深く知るきっかけになるだろう
・商談さえ決まれば、クリエイティブの開発フィーはインセンティブ等でマネタイズ出来るはず
このような理由からでした。
勿論、全てのケースでお引き受け出来る訳ではありません。ただ、一つだけ言える事は、恐らく私たちがサポートしなければ、A社の才能は世の中から消えてしまうのでは無いかという事。とても素晴らしい商品やアイデアを持っているだけに、それは何としても避けなければならない。しかも8年ぶりの電話。そんな事が重なり、私の中に使命感のような感情が芽生えていました。
事業の効率や利益・ビジネスリスクだけを考えれば、相談に乗れないケースが殆どでしょう。そういう判断はいたしかたない事だと思います。でも、自分たちに多少の余力があり、アイデアがあり、その可能性を魅力に感じているのであれば、投資の一環でチャレンジしても良いのでは無いか。株式や金融商品への投資運用では決して得る事の出来ない価値がそこにはあると考えています。
豊かな社会の実現のために。
それを実現するためには、自分たちが豊かである事が大前提です。豊かさとはお金だけではありません。生きがいや、自由な選択肢、そして何より本質的な価値意識を共有した中で、多くの人々の感情と触れ合える事です。
今後、このA社がどうなっていくのか、皆さん祈っていてください。
絶対に成功へ導いていくつもりです。
このブログを読んで頂いた方に是非感じて貰いたいこと。
今、本質価値がとても重要であるという事です。
世界的なビジネスの潮流として、「利便性は共有化(無償化)され、意味性は所有(購入)される」という流れがあります。皆さんの事業は如何でしょうか?会社の存在意義や価値はどこにあるのか?皆さまの事業におかれましても、今まで以上に成長できることを願っております。
株式会社クリイエティブアローズ
https://www.creative-arrows.co.jp