事業物語2023.8.1 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文

皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリイエティブアローズの乳井です。
今回は、私自身が最重要テーマとして取り組んでいる事をご紹介したいと思います。

「企業の本質価値を可視化する」

企業が備えている本質価値は、経営者自身ですら発見していない、あるいは口に出して言語化していないというケースが多くあります。
本質価値とは、経営者自身がなぜその事業をつくり、あるいは創業者から受け継いで推進してきたのか、困難もありながらなぜ頑張ってきたのか、そしてその事業、つまり商品やサービスがあることによって、世の中にどういう価値を提供しようとしているのか、それを通して世の中をどうしていきたいと考えているのか、といった、企業や事業の根底にある価値のことです。そんなことは考えたこともないと口にする経営者もいらっしゃるかとも思います。しかし、単に言葉として整理していないということに過ぎません。事業を進めるなかで、どういうときにやりがいを感じてきたのか、顧客のどういう反応がうれしかったのか、事業が壁にぶつかったときに乗り越えることができたのはなぜなのか、といった点を丁寧に洗い出していけば、なにが本質価値であるのかは明らかになっていきます。強い会社組織を構築するためには、そもそもなんのための事業なのかといったことを明確にしていく必要があります。

事業ストーリーづくりで最も大切にすべきなのは、自社がなぜ世の中に存在していてなにをしようとしているのか、世の中をどうしたいのか、という点を明確にすることです。そこに貫かれた思いこそその企業、組織、個人の本質価値であり、企業ブランドの中心になるべきものだと思うのです。

「企み思考で未来の会社を妄想する」

企むとは広辞苑によれば、〔悪いことを〕くわだてる。計画する、とあります。悪巧みのような言葉もありますから確かに否定的な語意が込められているのかもしれません。しかし、私が企みという言葉で示したいと思っているのは、相手を自分の望んでいる方向にもっていったり、事をうまく成し遂げたりするために策を用いるということです。自分達がなにをするかではなく、世の中全体を広く視野に入れ、仕掛けをしてその全体を動かそうということです。自分や自社、自社商品をどうするという狭い視点ではなく、自社の本質価値に社会課題や地域課題、事業課題、人や商品というさまざまなテーマを掛け合わせて、今までにない豊かな社会を築いていく。良い意味で大いに企んで、希望の持てる社会をつくろうというのが企み思考です。
対極にあるのが課題ベースの思考です。課題ベースは、現状の課題解決からスタートして成長を実現しようという考え方で、その課題の解決を目的に進めていくものです。どのようなアイデアもあらかじめ設定された課題という枠を超えることはありません。結局、課題ベースのアプローチはすでに見えている問題の改善であり、ビジョンをもったストーリーをつくることができません。
そもそも現状の問題点を見つけ、解決すべき課題としてとらえてさまざまな対策を打っていくという課題ベースのアプローチは楽しいものではありません。一つの課題を解決してもまた次の課題が見えてきます。ここがだめ、ここがうまくいっていないと、延々とマイナスのことを探し対策を考えていく作業の繰り返しでは誰もが疲れてしまいます。時には上を向いてアプローチをすることも必要です。その思考自体が事業ストーリーの創造につながっていくのです。

「バックキャスティング」

バックキャスティングというのはなにを実現するかという将来の目標を定めるための方法の一つです。対照的な方法にフォアキャスティングと呼ばれるものがあります。誰もが将来に向けてある変化をつくり出したいと考えています。幸せになりたい、豊かになりたい……目指すものや目標は、人によってさまざまです。目標を定めるための方法の一つがフォアキャスティングです。現状からスタートし、今はこういう問題があるからまずこれを解決するとか、現状ではこれは難しいからこちらをやるというように、あくまでも現状の課題を起点に目標を定め、解決を図るものです。先の言い方にならえば、課題ベースということです。

これに対して、バックキャスティングとは、現状の問題点や限界点などはいったん横に置いて、すべてが思う通りになるとしたらどういう姿でありたいのかという理想の姿を目標として置き、それを起点に現状を振り返って浮かび上がってくるギャップを埋めていこうと考えるものです。こちらが企みベースです。

より強い組織として求心力をもつためには、企業カルチャーの浸透が必要不可欠です。企業カルチャーは企業ブランドがしっかりあるから機能できます。強いリーダーシップやカリスマ性に頼りすぎるのではなく、しっかりと言語化して浸透させようというのがブランディングの目的の一つです。

課題ベースの思考で現状を起点に成長を目指し、企み思考で思い切ってジャンプしてみる。双方のギャップを可視化し、解決すべき課題として社内共有する。こういう取り組みをすることで、一体感のある強い組織になるのだと思います。

皆さんが持つ本質価値を再発見し、研ぎ澄まし、共有しながら豊かな企業を目指していかれる事を願っております。

株式会社クリイエティブアローズ
https://www.creative-arrows.co.jp

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