定点観測2024.6.19 税理士法人SHIP 鈴木 克欣

皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。

本日は定点観測についてです。

定点観測とは、経営の中で「特定の指標や項目を一定の時間間隔で継続的に測定・観察すること」を言います。
定点観測の目的は以下のようなものがあります。

経営状況の把握
売上高、コスト、在庫水準、生産数量など、経営に関する重要な指標を定期的に測定することで、企業の現状をリアルタイムで把握できます。

傾向の発見
一定の期間にわたってデータを収集することで、売上や生産性の季節変動、業界動向などの傾向を発見できます。

課題の特定
定点観測によってボトルネックや非効率な部分を特定し、経営課題を発見することができます。

対策立案の指針
経営指標の推移を分析することで、適切な対策を立案する根拠が得られます。

定点観測では、KPI(重要成果指標)の設定が重要になります。
企業の戦略目標に沿った適切な指標を選び、定期的な測定を行う場合、KPIが真ん中になければなりません。
言い換えれば、しっかりとしたKPIが存在することで、定点観測の精度も上がってくるということです。

つまり、測定データの正確性と一貫性を確保するためのルールづくりが重要となります。
こうした定点観測を通じて、経営の進捗状況を客観的に把握し、迅速な課題発見と対策立案を繰り返し実施していくことで、結果はついてきます。

僕の周りにいる優秀な経営者の場合、「定点観測」を常に行っています。
組織としてのKPIのみではなく、経営者自身の定点観測もそこには含まれます。
そこに存在する考え方は、正しい「行動」をしていれば正しい 「結果」が導かれるというものです。

いま正しい行動をしているだろうか?
いま正しい時間の使い方をしているだろうか?
いま正しい選択をしているだろうか?

というチェックを定期的に経営者自身が実施しています。
時間管理マトリックスの第二象限(「緊急」ではないけど「重要」なこと)にもつながります。

もう少し分解してみます。

経営者自身の行動の定点観測とは、経営者自身の行動や意思決定プロセスを継続的に観察・記録することを指します。
例えば・・・

経営者の1日の行動パターンの記録
経営者が1日にどのように時間を使っているか、どのような活動に従事しているかを記録する。
会議、現場訪問、意思決定等の内容と時間を記録する。

意思決定プロセスの追跡
経営者がある意思決定を行う際に、どのような情報を収集し、どのようなプロセスを経て判断したかを追跡する。
関係者とのやり取りや根拠資料なども記録する。

コミュニケーションの観察
経営者が部下や関係者とどのように対話し、コミュニケーションを取っているかを観察する。
指示の出し方や対話スタイルなども記録する。

課題対応の過程の追跡
経営上の課題が発生した際に、経営者がどのように対応し、どのようなアクションを取ったかを追跡する。

このように、経営者自身の行動を定点観測することで、自らの経営スタイルや意思決定の特徴、強みや課題を把握できます。
また、望ましい経営者像を探求したり、後継者育成の参考にしたりすることもできます。
経営者自身の思考プロセスをオープンにすることで、社内におけるマインド共有にも有効となります。

経営者の行動を客観的に分析することは、経営者本人のみに限らず、組織全体の活性化にもつながるのではないでしょうか?

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