正解がないVUCA時代2024.12.25 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
2024年、最後のブログになります。
いまは、VUCA(ブーカ)の時代と言われます。
VUCAとは、変化し(Volatility)不確実で(Uncertain)複雑(Complexity)、さらに曖昧=両義性がある(Ambiguity)現代の特徴を言い表す言葉です。
そういう時代において、企業には迅速な意思決定と組織的行動、社員個々の能力の発揮と自律的な行動、迅速な管理者教育が求められます。
不完全な情報をもって刻々と変化する状況にあわせ対応を変える意思決定法であるOODAループ、社員の成長段階に合わせたエンパワーメント(権限委譲)を行う段階的な教育、迅速な行動を可能にするフラットな組織改編などが、VUCA時代には求められます。
VUCA時代とは、物事の不確実性が高く、将来の予測が困難な状況です。
つまり、我々にとって、「正解がない」ということです。
2025年も、日本人の手取りは増えず、逆に物価がまだまだ上がっていくとしたら?
コロナの傷によって、2025年も多くの企業が倒産していくとしたら?
そんななかで、我々は正解をもたずにどのように進めばいいのか?
多くの方は、この状況下で前に進むことはできません。
それは、多くの日本人が思考停止状態だからです。
思考停止状態というと、厳しい言い方になりますが、今の時代と「考え方」がずれているということです。
昔からのままの「考え方」で現状を打破しようとしても、限界があります。
アマゾンで注文した物が翌日には自宅に届く。
新幹線のぞみは、時間通りに5分おきにプラットフォームにやってくる。
日本のどこに行っても、24時間営業しているコンビニがあり、欲しいものはすぐに手に入る。
2024年の物流問題によって、翌日届く予定の物が届かないかもしれない。
新幹線も激しい風雨やトラブルがあり、今日も止まるかもしれない。
人材不足により、コンビニが24時間営業することがあたり前ではなくなるかもしれない。
こういう状況になった時、SNSをはじめ多くの方が不平不満を言うでしょう。
「昔はよかった」
「何をしてるんだ。早く改善してくれ」
これが、思考停止状態と言われる背景です。
日本の人口は減っていきます。
2029年には1億2,000万人を下回り、2053年には9,000万人にまで減少します。
高齢化も進みます。
少子高齢化が進み、2065年には高齢者1人に対して、生産年齢人口1.3人の支えが必要な状態が訪れると予測されています。
これだけ、人口減少や少子高齢化が言われている中で、自分の生活は今までと同様のクオリティが担保されると考えている。
「ないものねだり」では、VUCAの時代を前に進むことはできないでしょう。
では、どのように考えればいいか?
「価値観」の変化を俯瞰して見るようにしてください。
「昔は・・・・」「これまでは・・・」という価値観に価値がない世の中に変化していきます。
なかなか、変化の渦の中にいるとその変化はわからないものです。
だから、その渦から一歩引いた俯瞰した状況で、その変化を捉えていただきたい。
そして、さまざまなシーンを前もって予測しておけば、
「仕方ないな。さて、どうしよう」と考えることができるのではないですか?
前提として、これまでの当たり前が当たり前ではなくなると思考のベースを持っていたなら「ここにも人材不足少の余波がきたか・・・」と考えるようになるのではないですか?
時代の変化とは、価値観の変化です。
同様の事象が起きた時、その事象を受け止める我々の「考え方」が変わることを表します。
組織が変化する時代に合った形に変化しようとしたとき、経営者だけでなく、そこで働くスタッフの考え方も変えていく必要があります。
世の中にない正解は、模範解答のことです。
模範解答は無いかもしれないが、数学でいう解答を導くまでの計算過程は存在します。
計算過程を社員一丸となって考えていくことがボトムアップ経営そのものです。
社員が指示待ちでいる限りVUCAの時代には対応できません。
一人一人が計算過程に関わっているという意識を持ち、自分の価値観を仲間と共有する。
そして組織は多様な価値観を受け入れる。
それが正解のないVUCA時代のボトムアップ経営に求められているのではないでしょうか。
今年1年、僕のブログを読んでいただき感謝いたします。
2025年もSHIPは、企業の黒字化実現のために挑戦します。
また、来年も笑顔で元気に乗り切っていきたいと思います。
良い年をお迎えください。
■次回のSHIPカレッジは、「これからの時代の給与の考え方とは?」です。
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