こんにちは!

経営を行っている方で金融機関から資金調達したことがない方は少ないと思います。
ところで、事業者の方が事業資金の借入をする際に、金融機関はどうやって返済可能性を判断していると思いますか?
いわゆる返済財源が何か、ということです。
いろんな考え方や見方があるのですが、試算表や決算書から判断する考え方としては、損益計算書(以下、PL)とキャッシュフロー(以下、CF)から考えることが一般的です。
特に長期借入金の返済可能性を判断する場合に、PLとCFから検討します。
PLから返済財源を検討する方法としては、「経常利益+減価償却費―法人税等」が一般的です。
例えば、年間返済額が5百万円の企業があるとすると

① 経常利益5,000千円+減価償却費2,000千円―法人税等1,650千円=5,350千円
② 経常利益3,000千円+減価償却費2,000千円―法人税等990千円=4,010千円

① >年間返済額、②<年間返済額、となり、黒字計上はしていても②の場合、計算上は利益で返済が賄いきれないことになってしまいます。

ただ、PLはあくまで利益を計算するもので、実際のキャッシュではないですよね。そこでCFでも見てみる。利益が出ていてもキャッシュを生み出していなければ返済はできないからです。
そこで改めて確認してみるとCFは以下の3つから構成されています

【営業CF】
企業の主たる活動である営業取引から生み出したキャッシュ量。簡単にいえば本業で稼いだお金の量です。
例えば、売掛金を回収すると営業CFが増えます(掛けが現金にかわるので) 買掛金を支払うと営業CFが減ります(お金で出ていってしまうので)。

【投資CF】
企業の資産取得や売却によるキャッシュ量。
例えば、車両を売却するとその分投資CFが増えます(売却代金がキャッシュインするので)。不動産を購入するとその分投資CFが減ります(購入代金がキャッシュアウトするので)

【財務CF】
企業の財務活動(資金調達や返済)によるキャッシュ量。
例えば新規に借入をすると財務CFが増えます。借入金の返済をすると、財務CFが減ります。

以上の各CFの特性を考えると、「営業CFで投資CFと財務CFが賄える」というのが、健全ですね。 
もし、営業CF2,000、投資CF0、財務CF△5,000(5,000千円返済)、という結果だったら、
営業CF2,000―(投資CF0+財務CF△5,000)=△3,000
となって、返済できるキャッシュがないのではないかということになります。
PL上はいくら利益出ていたとしても、CFがマイナスであれば返済が危ういのではないかと思ってしまいます。
ということは、少なくとも、営業CFで財務CFマイナス(≒借入金返済)をカバーできていることが必要です。

知識・経験・スキルのある金融機関担当者は、少なくとも返済可能性についてPLとCF両面で見ています。又、1期で判断せずに、時系列で考えて判断します。つまり、PLとBS(貸借対照表)の中のお金の流れ(CF)をとらえることができるので、返済可能性の見極め能力が比較的高いです。
そうでない金融機関担当者は、PLのみで判断してしまいがちです。企業のお金の流れをつかめないまま返済可能性を判断してしまう可能性が高くなり、結果として適切な判断ができていないかもしれません。
正直言ってCFまでしっかりチェックできている金融機関担当者は少ないのではないかというのが個人的な感想です。
もし機会があったら、メインバンクの担当者に聞いてみましょう、「ウチのキャッシュフローの動きってどう思う?」その返答内容で、その担当者のレベルがわかるかもしれません。

半面、この観点を企業側が怠ると、いわゆる「勘定合って銭足らず」となり、「黒字倒産」の引き金となる可能性が高まります。
ですので融資申し込みの時だけでなく、常に自社のCFの動きは確認しておくことが事業継続のためには必要かもしれません。又、金融機関など外部への説明時に納得感を与えられるかもしれません。

中小企業の経営者の皆さん、定期的に自社のCFを確認するルーティンを持ってみてはいかがですか?