こんにちは小川です。
先日の日経新聞に気になる記事が載っていました。
「中小向け融資リスク恐れず」
内容は金融機関が中小企業への融資に積極的になってきていて、信用保証協会付き融資は減少している一方で設備資金融資は右肩上がりに増加している、というもの。保証料があるためトータルの資金調達コストがアップする信用保証協会融資から、保証料の無いいわゆるプロパー融資への比重が増加していて、脱信用保証が進んでいるとのこと。中小企業にとっては喜ばしいことですが、自分の周りの実際の現場を見ていると記事と実態が乖離しているような気もしますが・・・。
ところで記事導入部分が問題で、「『ウチは3か月延滞していても融資します』といって、ある地銀が信金への返済が3か月延滞していた融資の借換を持ち掛け実行した」とありました。はたして、これでいいのでしょうか?地銀のモラルハザードもここまできてしまったのでしょうか?
今はやりの事業性評価でもって3か月延滞ということを凌駕するほどの事業性があったから融資を実行したのか、はたまた目先の成績に追われてモラルハザードが崩壊したのか。後者だとすればスルガ銀行や商工中金の構造と何ら変わりない、行き過ぎた融資になる可能性を感じさせ非常に危ういですね。記事の中にも「事業性の評価に基づいて積極的にミドルリスクをとる例と、貸出先に困り十分に実態を把握しないまま過度なリスクをとる例の両方がある」とあります。
この点を踏まえると、前述の3か月延滞融資を借換した銀行は、リスクをとっているのではなく、自社の都合=目先の成績を上げたい、だけで融資しただけでしょう。その融資を受けた企業の行く末も想像がつきます。その場しのぎでしかない融資を受けたところで、自社の都合だけで融資をした銀行からは経営の役に立つアドバイスがもらえるとは思えませんから。融資した銀行も一般事業でいえば目先の売上が欲しいからといって、粗利ゼロの仕事を受けたようなものですね。やらなければよかったと後から後悔するというのが目に見えています。
リスクをとるということは、都合の悪いことには目をつぶる、自分の都合のいいように物事を判断する、ということでないはずです。このはき違えをしたのが、スルガ銀行であり、商工中金でしょう。自分の都合のいいように物事を判断した結果、自社組織の存続を揺るがすようなリスクを発生させてしまった、これをモラルハザードと言わずして何をいうのでしょうか?
金融機関にとっての営業と審査は車のアクセルとブレーキに例えられます。両方をバランスよく踏むことで初めて車は適切に前に進む=適切な融資ができる。だから顧客の信頼が得られ組織として存続できる。金融機関自身も十分わかっているはずですがねえ。残念ながら、「業推無罪」なんて言葉がしっくりくるのが金融機関の実態ですからアクセル全開のスルガ銀行のような金融機関が現れても不思議とは思いません(“業推無罪”気になる方は検索してみてくださいね~)。
これは金融機関だけでなく、一般企業でも同じだと思います。経営者の皆様、自社のアクセルとブレーキは適度に踏み分けましょう、まっすぐ自社を走らせるために。