こんにちは小川です。
先日、「金融排除~地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実~」という本を読みました。著者は共同通信社の経済部記者である橋本卓典氏という方で、「捨てられる銀行」「捨てられる銀行2 非産運用」に続く第三弾です。

今の金融行政や地域金融機関の実態、金融機関の持続可能なビジネスモデルを問う内容となっており、金融機関出身の自分としては非常に感じ入ることが多い内容でした。既に読まれている金融機関の方も多いのではないでしょうか。

その中で、「捨てられる税理士」という文言が出てきました。税理士・会計士に関し数ページにわたり記載がありますが、

●「債権の回収・返済しか考えない銀行」と「正しい税務・会計しか考えない税理士・会計士」のはざまで事業者の悩みは深まっている。
●所詮は銀行、税理士・会計士のどちらもが自己本位の発想しかない。事業者の最大の悩みである持続可能性に寄り添っていない。
●単なる税務サービスだけでは事業者の持続可能性のニーズには応えられない。「AIで代替可能」として税理士不要論が取り沙汰されるのもこのため。
●国が認定支援機関の対象としているにも関わらず、記帳代行や決算申告しかせず、その責務を果たせていない税理士もいる。
●銀行は単なる「返済と回収」を超え、税理士は単なる「正しい会計」を超え、顧客の持続可能性に応える付加価値を提供できなければ、どちらも時代から捨てられる。

以上、一部抜粋させていただきましたが、まあまあ辛辣です(笑)。「正しい税務・会計」は税理士・会計士としての第一義的なことだと思うのですが、それをやっているだけでは役に立たない、と言い切られていますから。

ただ、 税理士・会計士=会計事務所 が期待されていることは何なのか、はわかります。数字や申告書を作ったりしているだけでは会計事務所はクライアントの期待に応えらえれていないしその役割は果たせていない、経営の役に立つ情報提供やアドバイスなどの経営支援活動を行って初めて、会計事務所の役割を果たしているといえる、とこの本で言われていると思います。
このことは自分も金融機関在職時から思っていたことではあります、会計事務所も金融機関も中小事業者の傍らに存在するにもかかわらず、経営の役に立つといえる活動があまりにも不足しているのではないか、融資する、決算書作るだけでは役に立っているとは言えない、と。

この「金融排除」を読ませていただいて、改めて自分の役割、ひいてはSHIPの役割、は何なのかということを考えさせられ、自分たちの方向性は決して間違っていない、ということを認識いたました。
「捨てられる会計事務所」に括られないよう、「必要とされる会計事務所」と誰からも認知されるようにならなければならない、地域金融機関の実情を示した本を読んだのに、なぜかそのように強く思うのでした。