こんにちは!
めっきり寒くなってきた今日この頃、今年もあとわずかとなってしまいました。

さて、平成29年11月に金融庁から「平成29事務年度金融行政方針」が公表されました。金融行政方針はその名の通り、金融庁としての金融に関する行政の方針を示したものです。
4年前に金融庁長官に森氏が就任して以降、毎年度公表されているわけですが、金融機関はこの行政方針に対応していくことが求められます。監督官庁から示される方針はそれだけ重たいというわけです。

中でも地域金融機関(地銀、信金等)向けに示されている方針をいくつかピックアップすると、

【ビジネスモデルの持続可能性等に深刻な課題を抱えている地域金融機関に対し検査を実施し、課題解決に向けた早急な対応を促す】
⇒現在の経営内容に問題なくても、将来的な企業としての持続可能性を示すことができなければ検査に入りますよ、という主旨ですね。

【金融仲介(企業の価値向上支援等)の発揮状況を表す客観的な指標群(KPI)を選定・公表し、金融機関の取組の見える化を図る】
⇒企業支援の内容を数値で公表して、その金融機関の取組姿勢を外部に情報開示しなさい、といったところですかね。昨年からはベンチマークの公表というのが求められていますが、そのバージョンアップと考えられます。

【金融機関による企業支援を促進するため、地域経済活性化支援機構(REVIC)及び日本人材機構による人材・ノウハウ支援を強化する】
⇒いわば公的機関であるREVICや日本人材機構を活用して、企業の人材育成や組織作りの支援を行いなさい、といった意味かなと思います。ちなみに、SHIPは日本人材機構様とはご縁があったりします。

今回の金融行政方針の中を見ると、とりわけ地域金融機関に対しては、ここ数年で求められている事業性評価をベースとした企業支援をさらに加速させるよう求められていると感じます。内容もかなり踏み込んでいますしね。金融庁が公表している以上、地域金融機関としてはこれに応じなければならず、対応を迫られることとなります。

ただ、これは金融行政の方針なのですが、国としての企業支援の在り方を示しているともいえるので、会計事務所としてもこの大きな流れをつかんでおく必要があります。

ところで、この金融行政方針はお上からの上意下達の単なる指示書かというとそうではなくて、視点を変えてみると、企業経営にも役立ちそうな考え方が示されています。キーワードであげると「率先垂範」「根拠の見える化」「情報開示」です。

「率先垂範」
組織のトップとしてまず求められる姿勢はこれだと自分は考えています。「俺はいいけどお前ダメ」みたいな傾向が見受けられるトップには誰もついてきません。言ったことは必ずやるとか、人に求めるものをまず自分が行っている、とかですね。金融庁も金融機関に様々な要求を行う以上、自らの組織の改革を行う、と金融行政方針の前段で示しています。俺たちも動くから君たちも動いてくれ、というメッセージ性を感じます。まさに、率先垂範です。

「根拠の見える化」
金融行政方針のレビューを金融レポートという形で公表しているのですが、様々な調査結果データをグラフ等で「見える化」し、方針の根拠としています。企業経営においては内部にも外部にもある種の「交渉・折衝」が必要ですが、その際に根拠となるデータが示されるとより説得力が増します。ただ、口で言っているだけだと納得感に乏しく、合意形成の難易度が上がります。

「情報開示」
先にも上げました、客観的な指標群(KPI)を選定・公表する、ということは、企業活動の内容をわかりやすい形で開示するということです。企業経営は外部との連携が重要な時代になっています。その連携に必要なことの一つに自社情報の適切な開示があると思います。これをやることで企業の信用力アップに貢献することになるわけです。

金融行政方針をみて思ったことを書き連ねましたが、自らの業界に向けたものでなくても視点を変えてみると、役立つことはあるよ、といういい例だと思います。SHIPでもお伝えしている、計画性と継続性といった視点の内容も盛り込まれています。

金融行政方針や金融レポートは金融庁のホームページで見ることができますので、ご興味ある方は是非ご覧になってください。